会社員時代は確定申告なんて無縁だけど、会社を辞めると確定申告をしなくてはなりません。
会社員だった人はそういうことに慣れていないし、これは結構面倒なこと。
自分のことだって面倒で大変なのに、なかには高齢の親の確定申告を代わりにしなくてはならなくなり、困っている方がいるかもしれません。
もう、本当に面倒ですね。
年を取るとなかなかそういうことが面倒になってできない!という人のための救済策として、
高齢の年金受給者には「確定申告不要制度」があります。
ただ誰もが確定申告不要というわけではなく、条件があります。
年金は「雑所得」になりますが、この合計が一定額以下であり、しかも年金以外の収入が一定額以下であることなどが必要です。
でもそのおかげで、多くの年金受給者は確定申告をしなくても済んでいます。
実際、そういう人はもし確定申告しようとしても、税務署は受け付けないかもしれません。
引用元;内閣府大臣官房政府広報室
ただ、確定申告自体は不要なのですが、一つ気にしておきたいことがあります。
それは、医療費のこと。
高齢者はしばしば病院に行きます。
加齢により次々と具合が悪くなり、大きい病院から、近所の小さいお医者さん、歯医者さん、眼医者さん、耳鼻科、皮膚科、整骨院…とまあまあ、次々といろんなところに行くようになります。
そして気づけば、その医療費は結構な金額になります。
確定申告する際には「医療費控除」というのがありました。
だけど年金受給者は、そもそも控除してもらうだけの所得税を払っていません。
そこで必要になるのが、住民税の申告。
今年使った医療費を計算して提出すると、翌年の住民税(所得税ではありません)が減額されます。
医療費控除だけでなく、生命保険料控除なんかもありますね。みんな同じことです。
確定申告しなくても、一定額以上支払っている場合は、翌年の住民税減額につながります。
この申告は義務ではありません。
面倒くさいからやっていない人も多いかもしれませんが、
申告しなければ減額されることはありません。
ネットで調べると、「医療費控除で住民税も安くなる」とか、「医療費控除で住民税が還付金がある」とかいうのがたくさん出てきます。
けれども高齢者の年金受給者のことはあまり出てきません。
よく調べると市町村のホームページでときどき紹介されていますので、住んでいる地域の市町村のホームページをチェックしてみましょう。
市町村の納税課に直接問い合わせると、今はは丁寧に教えてくれます。
税金を払い過ぎると戻ってくる~というのが現役世代。
戻ってくる(4月に振り込まれる)から、まるでお小遣いみたいに “もらえた感” があり、頑張り甲斐もあるのですが、年金受給者の場合は、戻ってくるのではなく、翌年の税金が安くなるのです。
払われるわけではないので、せっかくやってもありがたみが薄いし気づきにくいのですが、でもやったことでちゃんと「お得」になっています。