周りを見ても、我が家の場合をふり返ってみても、
離れて暮らす老親の介護問題を考えるとなると、それは家族問題と密接であるとつくづく思います。
だからこそ、離れて暮らす老親の介護となると、
どうやって老親の状態を、子どもである私たち兄弟姉妹が情報共有していくかというのが、とても大事なことになります。
電話と手紙しかなかったひと昔前だったら、離れて暮らす親について兄弟姉妹で情報共有するのはとても大変。
1対1の連絡なら電話と手紙でよかったかもしれないけど、
今の情報共有をふまえての検討となると、みんなで集まるしかありませんでした。
でも今は、メール、Line、Skype、Zoomなど、いろいろ便利な道具が出てきて、
環境はずいぶん整ってきました。
我が家では、日常的なことはこれまでLineのグループで情報共有してきました。
行ってきたら父はこうだった、母はこうだった、
どこに行って何を食べた
こんな服を着ていた
一緒に散歩した
等々、日常の普通の一コマをLineのグループに写真を送り合ってきました。
その後、だんだん老親が年齢とともに弱ってきたので、
私は、支援体制を整えることを考え始めたほうがいいかどうか、ケアマネへのメールで相談しました。
その際に、私たち3姉妹で共有したい旨を記して宛先のCcに姉妹を入れると、
ケアマネも「全員返信」で返信をくれます。
それによって、相談する内容も、ケアマネからの回答も、姉妹で共有できるのが、我が家にとってはよかったです。
ケアマネと話した人が、兄弟姉妹に相談なくどんどん進めると、後々兄弟姉妹で進めたい方向が違ったときにトラブルになりやすいですし、だからと言ってケアマネと話した人がいちいち兄弟姉妹に報告しなくてはならないのは、負担が偏り大変です。
ちなみに一人っ子だと、何事も一人で決められるから楽だと言う人がいる反面、
すべてをたった一人でやらなくてはいけないから大変と言う人もいます。
結局は一長一短ですね。
さて介護認定を受けると、定期的にケアマネと両親との面談があるのですが、
私は、その面談を新たな体制を組むために活用しようと思いました。
面談日に離れて暮らす子どもが立ち合うなんて、そうそうできることではありませんが、
大事なタイミングの時には、ケアマネとの面談日の設定も、
まずケアマネと私たち姉妹とで仮設定してから、ケアマネが両親と調整してくれました。
この、ケアマネと私たち子どもとの連絡はすべてメールで行いました。
この進め方で、離れている私たち姉妹の負担は少し軽減しましたし、
私たち子どもも、大事なタイミングのときにはできるだけ両親の面談日に
同席するような形になります。
それによって、親も、子どもである私たちも、ケアマネも、みんながその場で情報共有
できるようになり、介護に関するこれからの漠然とした不安が払拭し、少し安心できるようになります。
仕事を休んでの立ち合い等、調整は大変ではあるのですが、このたった1日のおかげでその後が随分変わるのではないかと思います。
お勤めしている人は、介護休暇は介護のために使うというよりも、こういう介護の体制づくりのために使うのがよいのではと、私は思います。
我が家の場合は、その面談1時間で老親と私たち全員で方向性を仮決めし、
そこからふだん診てもらっているクリニックに、指示書や診療情報提供などを家族として依頼する連絡を行い(電話)、その結果をケアマネに連絡(メール)すれば、あとはケアマネが各種手続きを進めてくれる、と言う流れに進みました。
この1日は大きいと思います。
面談では主役はあくまでも老親なので、親にしてみれば、子どもが勝手に決めることにならないというのがいいみたいですし、自分のためにみんなが集まるというのも嬉しいようで、それまでガタガタ言っていたことも、多少スムーズに運びやすくなったように感じられました。
とは言え、介護というのは、ここからいい状態へと進むよりはむしろ、だんだん悪い状態へと進んでいくのが普通。
体制を一度組んだからと言って終わりではなく、これからまたどうなっていくかわかりません。
でもその進み方は人によって違うし、何が問題になるかは、家によっても人によっても違うので、次の問題が来るときまではとりあえずは小休止(苦笑)。
そのときにまた考えることにしましょう。