「会社を辞めたのはロールモデルがいなかったからかも・・・」
私がそう言ったら、同世代の男性が言いました。
「ロールモデルがいない~それ、女性はよく言うよね?!
そんなにロールモデルって必要なのかなあ?!」
うーん、
たしかに必要ではないのかもしれません。
だけど、私の世代の場合、目指す形であるかどうかは別にしても、
そもそも先輩(女性)が極端に少なかったんです。
なぜなら、私の場合、社内では27歳の時からずっと最年長の女性社員だったので。
それは、その会社を辞めるまで20年以上も続きました。
目指す相手はもちろんのこと、比較対象もいなかったから、
私の前に道はない・・・・
今から考えると、常に「ロールモデルがいない」
不安と不満を抱えていたような気がします。
女性活躍推進の課題はロールモデル
そんな風に思っていたのは私だけかと思ったら、
そんなことはありませんでした。
全産能連の調査によれば、
女性活躍推進に向けての職場の課題は、
「ロールモデルの不在、または不足」がトップ。
漠然と感じていた私の不安は、当時から意外にみんなも感じていたのかもしれません。
男性の場合、もともと先輩がたくさんいるでしょう?
中には自分のロールモデルに近い人がいるかもしれない。
たとえロールモデルなんかいなくても、
複数の人のいいとこ取りで自分の目指す形をイメージできたり、
「ああいう風にはなりたくない」と逆イメージできたり、
することはないでしょうか。
あるものを肯定したり否定したりすることと、
何もないところから考えることとは、
雲泥の差。
女性が「ロールモデルがいない」としばしば言うのは、
たぶんそういうことではないかと思います。
もちろん、何もなくても自ら一生懸命考えられる人、
悩まずに走れる人もいるでしょうが、
誰もがそうはいきません。
私の場合、当時はロールモデルがいないから不安だったということにすら、
気づいていませんでした。
10年以上経って初めて、
私の不安とは、結局はそういうことだったのかと思うに至ったのです。
東洋経済の記事には「ロールモデルは不要、百害あって一利なし」
とあったけれど、私は必ずしもそうは思いません。
目指す形をイメージしやすいかどうかは、実はとっても重要なこと。
ロールモデルって、自分が目指す形をイメージするための
お助けになるのはずですから。
これからのロールモデルは?
50歳を目前にして私は会社を辞めましたが、
その後は、流れに身を任せてみたり、自発的に仕掛けてみたり。
会社員の時以上に試行錯誤しているように思います。
では、今の私にロールモデルがあるか?と言うと
あるような、ないような、・・・・
生きていれば先輩諸姉はたくさんいるから、参考にできることも無限大。
年齢を重ねていけば、必ずしもロールモデルは年上とは限らないかもしれない。
その結果、今の私は具体的なモデルは持たないけれど、
多くの先輩諸姉の生き方を見つつ、自分より若い人の生き方も参考に、
自分自身と相談することが多くなりました。
ロールモデルがあることはきっと力になるでしょう。
だけど、ロールモデルがないことは、必ずしも問題ではない。
今の私はそう思っています。
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