「石崎さんって、どんな宝石をお持ちですか?」
そう聞かれて、私は咄嗟に答えられませんでした。
持っていないわけではないのです。
そう言えば、南米や東南アジアなどを旅行した時に、
ガイドから「石の原産地だから、破格の安さで買える」と言われて、
買ったものもあった…。
なんという石だっけ?
ルビー、サファイア、それとも…?!
ジュエリーボックスに多少の宝石はしまってあるけれど、あまり開けることもないので、
もはやどんな石をもっているかすらよく覚えていなかったのです。
婚約指輪は、立て爪のダイヤモンドでした。
結局人の結婚式に出席するときにつける以外は、ほとんど身につけないままです。
私はバブル景気時代を通ってきた世代。
当時は海外旅行が大流行りで、
ヨーロッパのブランドショップには日本人の行列ができると世界から揶揄されたものです。
私は行列などしませんでしたが、それでも特に興味もないくせに
「お得だから」「珍しいから」と言われてはブランド物や宝石を買っていました。
それは時代のせいだったのかもしれません。
そんな宝石を、私はこれからいったいどうするのかしらん?!
日常使いするようなデザインではないから、身につけるとしても特別な場に限られてしまう。
買ってから約30年(!)が経過して、今やデザインが古くてとてもつける気にはなれません。
でも高価なものだから捨てるなんてあり得ないし、
大きなものではないから、まあ邪魔になるものではないし、
だからなんとなくずっと持っているけれど……。
全然使わない。
今後も使いそうもない。
まさにタンスの肥やしです。
私のような極端なことはないにしても、
ジュエリーボックスの中に宝石がしまいっぱなしになっている定年女子の人、
きっと多いのではないでしょうか。
私の世代より年上の方だったら、たぶんもっと多いかも……
25年くらい前、友人はがんばった自分へのご褒美にと、毎年ひとつづつ宝石を買っていました。
あの宝石を、彼女は今も愛用しているのだろうか……
でも、そんなジュエリーは、
実はリフォームして日常使いができるものだし、
「親から子へとつなげるモノ」の代表格でもあるし、
資産価値も見逃せないものなのだそうです。
冒頭の質問を私に投げかけたのは、
ジュエリーのリフォームや買取を行うアイデクトの寺尾さん(広報担当)。
30年前に手に入れた宝石、
このまましまっているのはどうやらとてももったいないことのようです。
モノによっては今では希少価値になっている石もあり、鑑定ができる専門のところであれば、
実は高値がつくことがあるのだそうです。
「昔買ったジュエリーをそのまま使わずに眠らせておくのはもったいないです。」
「昔に買った宝石がそれなりの資産価値を生むこともあるんですよ。」
買い取りとなると質屋さんを思い浮かべがちですが、ジュエリー専門のところだと今の価値から適正に評価してもらいやすいのだそうです。
私はたいした量を持ってはいませんが、
これを聞いてかつて宝石好きだっ昔の友達に教えてあげたいと思いました。
ちなみにアイデクトが得意とするのは、ジュエリープランニングだそうで、
古いジュエリーを新しいデザインにしたり、換金したりと、
プランナーがジュエリーボックスを見てくれるのだとか。
考えてみれば、バブルを通りぬけた私たちだけでなく、
私たちの母親のジュエリーボックスもありました。
母親たちは今は年老いてなかなかつける機会もないだろうけれど、
私たち以上に宝石を大事にしていたような印象があります。
でも古くさくて、娘世代の私たちがそのままつけるにはちょっと…。
それをこれからどう整理するのか、つなぐのか、受け取るのか?!
なんでも捨てて新しいものを手にするというのではなく、
あるもの、あったものを好きな形にして使い続ける、
昔の思い出を大事につなぐ、受け取るということが
ジュエリーにおいても可能になるのですね。
これは、定年女子ならではの新終活のひとつだと思います。
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