「うちは25歳が定年なんですが、それでもいいですか?」
これは、就職試験の面接で、残間里江子さんが面接官に言われた言葉だそうです。
出展)
フジテレビは25歳が定年だった それってホント!?
フジテレビ 1969年まで女子社員の定年が25歳だった? - ライブドアニュース
1969年まで、フジテレビの女子社員の定年は25歳だったという。当時は「女性は結婚して会社を辞めるもの」が社会通念だった時代。ほとんどの大企業は1980年以降、60歳定年…
どうやら、フジテレビは1969年まで女子社員の定年は25歳だったようです。
それを知って驚いたけれど、考えてみれば私が長く勤務していた会社も、30年くらい前には「女子社員30歳定年説」というのがありました。
まあ、これは噂のレベルで、実際にそんなことはなかったのですが・・・。
大体、当時会社には30代の女性なんていませんでした。
私が入社した時、最年長女子社員は27歳でした。
それはそれは怖かったし、でも頼れたし、まさに超先輩、大先輩な雰囲気でした。
小学校に入ったばかりの1年生が、6年生を見るような感じに似ていたのかもしれません。
当時の私は22歳。
結婚したら会社を辞めるのが当たり前。むしろ、それが目標、憧れな空気がいっぱいでした。
出産しても働き続けるのは「キャリアウーマン」のすること。
さらにそれからしばらくすると、私たち女子は「クリスマスケーキ」などと呼ばれるようになったのです。
そう、高く売れるのは24歳まで。
25歳でたたき売りがはじまり、それを超えると誰も買わなくなる、という喩えです、ね。
正直なところ、会社に入ったばかりの頃の私は、
3年くらいで辞めるだろうなあと漠然と思っていました。
だけど、だんだん仕事が面白くなってきて、続けるのも悪くないなあと思うようになり、
そのうち仕事の厳しさも知り、辛いことばかりになると、どうせ結婚したら辞めるんだからと思ってみたり・・・。
まあ、本当にいい加減な気持ちで仕事を始めたのでした。
でも、クリスマスケーキと言われるころには、仕事に夢中になっていました。
でも、そういう風に見られると売れなくなるんだろうなあという思いもあって、会社の中では夢中に働いていたけれど、会社を出ると「会社なんて」「仕事なんて」というふりをしていました。←今考えると、かなり笑えますが。
ちょうどそんな頃でした。
私の勤務先で「30歳定年説」が囁かれるようになったのは・・・
まだ30歳になった女性の先輩はいなかったので、噂の真偽がわからないままでいたら、いつのまにか先輩たちがいなくなり、私が最年長女子社員になっていたのです。
当時の私は28歳。
結局、そのまま何事もなかったように、私は会社の中で30歳の壁を超えました。
世間が言うクリスマスケーキに、人並みに一喜一憂しながら、売れることなく30歳の壁を超えました。
当時は、たしかに30歳を超えて、独身で、会社に勤めて、という女性はまだまだ少なかったし、家族や親せきは私が売れない(!)ことをひどく心配していてはいたけれど、それは別にして会社の「30歳定年」なんていうのはただの噂でした。
もしもフジテレビが1969年まで本気で女子社員25歳定年を決めていたのだとしたら、今、改めて時代の変遷を感じます。
今は男女で定年が違う会社はほとんどないでしょうし、「女性の定年は何歳ですか?」と聞いて、50歳以下と答えそうな会社など、考えられません。
さて私はずーっとその会社の最年長女子社員として25年勤務し続けることになるのですが、会社から自分自身の「定年」の話を聞いたことはありませんでした。
私は48歳でその会社を卒業しましたが、今、その会社には20代、30代、40代、50代の女子社員がいます。
そして今、社会は男女関係なく定年が引き上げられる方向になりつつあります。
一般的には「定年」と言うと男性のイメージがありますが、今は男も女も変わらなくなりました。
男性の定年延長の変化以上に、女性の定年イメージは大きく変化してきました。
かつては定年まで勤めあげる女性って、本当に稀有な存在でしたから。
だけど一方で企業にとっては、いくら国から努力目標が掲げられても人件費の負担は大きく、そうそう雇いきれないという本音もあります。
労働力不足でやむなく雇用継続している中小企業は別として、管理部門をもつ一般企業の定年はなかなか伸びてはいきません。
25歳定年と言われた時代から今まで大きな変化を遂げてきましたが、これからはどんな風に変わっていくのでしょうね。
クリスマスケーキと言われた時代から辞めずに働き続けてきた女性たちは、そろそろ定年が視野に入るころのはず。
かつて稀有な存在だった「定年まで勤め上げる女性」は、今や珍しくはありません。
むしろずっと働いてきた女性の場合、心はオジサンと変わらない人も多いかもしれませんね。
長く働いてきたからこそ、「お疲れ様」ですか?
もう仕事は終わりですか?
仕事がなくなってからの時間、どう生きていきますか?
人によってその道はさまざまだし、自分に合っていればその道が大正解、どれもいい道です。
ちなみに私の場合は、仕事をしないでつつましく、日々変化なく生きていくのは、ちょっと苦行になりそうです。
もしも仕事をしていれば、どんなにつつましくでも生きていけると思うのに、不思議です。
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