老後の蓄えには最低でも2000万円が必要とされているが、三菱総合研究所のシニア調査では、「2000万~3000万円」の金融資産を持つ人の約64%が「幸せ」と回答しているのに対し、必要な金額に全然足りない「200万~500万円未満」でも60%弱が幸福と回答している。“不安いっぱい”で幸福度どころではないだろうと思われる「200万円未満」の人でさえ、過半数には満たないものの44%が「幸せ」と感じているという。
老後の安心、老後の幸せと言うと、お金の話題がとても多いのが、ずっと気になっていました。
それどころか、お金のことなんか気にしていなかった筈なのに、
だんだん不安になっていろいろな情報にふりまわされ、
いつのまにかそういう話題に煽られている自分に気づいて、なんともいやな気持になることがあります。
そりゃあ、お金はないよりはあった方がいい。
でもやっぱりお金だけじゃない。
そんなことを、この記事が思い出させてくれました。
“不安いっぱい”で幸福度どころではないだろう
とは、
オイ!オイ!余計なお世話でしょ?!とツッコミを入れたくなるくらい随分なコメントだけど、
まあこの記事が、お金や投資がテーマのマネーポスト(小学館)が出所だから、そこは仕方がないかもしれません(笑)。
お金以外の何があるか、何を持つか。
できれば40代50代のうちから、できるだけ早い時期から、それに向けて準備することが、未来の幸せにつながることを再確認できた思いです。
いくつか興味深いところを抜粋します。
「生活水準が上がると幸福度は上がりますが、それは一時的なもので、慣れてしまえば元に戻ってしまいます。それに対し、友人とのおしゃべりや趣味に没頭するといった精神的な幸福度は上がったまま長期間続くと考えられています」
「慣れてしまう幸せ」と「慣れずにいつも幸せを感じられること」がある、というのは、言われてみれば納得。
その内容は、人によってきっと違うように思います。
自分にとって好きなこと、幸せなことをいつもいつも求めてやっているうちに、それが日常になり、それで充足感を感じ続ける場合もあるけれど、一方で当たり前になって幸せを感じなくなっていくことが、たしかにある。
それは自分の気持ちや体調や環境なども影響して変わっていくので、自分の幸せネタを考え続けていくこともよさそうです。
独居の高齢者は幸福度が低いと思われていますが、実態は違います。
非婚、離婚、死別など、"おひとりさま"が増え、今や家族の人数も「ひとり」が最も多い時代。
今や"おひとりさま"は全然珍しくない時代です。
だけどどこか、家族仲よく、家族で幸せ、というのが論調のデフォルト。
もちろんそれも間違いじゃないけれど、そのせいで、憐れむ空気や、卑下する空気は、なんだか気持ちが悪く感じていました。
一人暮らしの高齢者の幸福度が高いという結果は、ケロリと「余計なお世話よ!」と言えそうな気がします。
何でも周囲に頼りがちの人は幸福度が低く、できることは自分でやるんだという気持ちが強い人の方が幸福度は高いですね
周りに頼ると楽だし、やってもらえれば嬉しいから、そういう環境にあると頼ってしまうのが、人間というもの。
仕方がありませんよね。
会社生活で偉くなっていくと、部下や後輩がいろんなことをやってくれるので、無意識のうちに頼りがちな人間にさせられてしまうことも、きっとあるのだと思います。
私自身も、だんだんいろんなことが面倒くさくなってきて、つい人まかせにしたくなるんだけれど、
これは戒めにしようと思いました。
一方で、年々弱りつつある老親のことが気になりました。
彼らは二人だけで暮らしていますが、今、私たち子どもに頼ろうとして、自分でやることを放棄しそうになる様子がしばしば見えるようになっています。
ささえる私たちがどこまで応えるのかは、なかなか悩ましいテーマですが、私自身の30年後を見る思いで、老親の幸福度を下げないようにできればと思います。