先日30代の人に聞かれました。

シニアの人ってどんなことに興味があるんですか?
30~40代は、何に興味あるって言えば、恋とか愛とかがダントツなんですけど、
でもそれが終わっちゃった50代や60代の人って、何に興味あるんでしょうか?

ん?シニア?
終わっちゃった50代?

その時私は、”シニアの事情に強い”人 として呼ばれて聞かれていたのですが
そうか…、もうすぐ60歳になろうとしている50代後半の私もシニアだったのか…、と
改めて気づかされました(汗)。

はて、「シニア」とはどういう人、どういう世代を指しているのでしょう?

いろいろな会社が、シニア向けサービスを考え、スタートしています。
今から20年くらい前から、ずっとそんな状況だと思います。
でもそうそううまくいってはいません。
評価されているのはほんの一部のサービスで、ある程度うまくいっても、多くのサービスが消えていきました。

なぜなら、そのサービスを考えている人たちは、きっと「シニア」になったことがないので、
対象者の気持ちを知らないから。
調査はしているかもしれないけど、本音のところはわからないのではないでしょうか。

あとでよくよく聞いてみると、彼らが考えていた「シニア」とは、
50代から80代くらいのことを指していました。

50代~80代?
ずいぶん幅が広いですね。
たしかに年齢が高くなると年の差が関係なくなっていくのはたしかなのですが、
それにしても50代と80代では親子くらいの差!
カラダも、気持ちも、志向も、全然違います。
それをまとめて「シニアの興味は何か?」と聞かれても、ぴったりの答えなどなかなかあるわけないのです。

雑誌だって、ファッションだって、20代や30代だったら、細かく志向が分類されているのに、
年齢が高くなると、なぜそれがだんだん丸っとまとめて考えられてしまうのでしょう。
「シニア」というふうに…

しかも恋とか愛とか「終わっちゃった」人?!
しばらくお休みしている間に関心が薄れている人は、たしかにたくさいるのかもしれないけど、
それは「終わって」しまったことでしょうか。

そもそも恋と愛とかに限らずどんなことだって、生きている限りは何も終わらないのだけれど、
若い世代にはそれがわかりにくいのかもしれません。
実際、私の周りには現役ど真ん中もいるし、
現在休眠中の人だってそのうちまた始まるかも…と私は見ています。

たしかに思い起こしてみれば、
私自身が30代のころに思っていた50代と、実際に50代になってみての50代は、全然違いました。
今の30代だって、10代の時に思っていた30代を思い浮かべれば、その感覚を想像できるのではないでしょうか。
もしかしたら今の10代の人は、30代40代のことを「恋とか愛とかが終わっちゃった人」と思っているかもしれません。
きっと、80代の人も、60代のころにイメージしていた80代とは違うなあと思っている気がします。

そんなふうに、きっとみんな将来のイメージと現実は大きく違うのでしょうが、
それでも企業は想像の世界で「シニア」向けの商品やサービスを開発し続けていて、
想像している主流メンバーは30代40代。
しかもそういう担当の人たちは、とても心優しく真面目で一生懸命考えて企画しているのだけれど、
結果的にできあがっていくモノやサービスは、どうもフィット感がない…
むしろ、対象者から見ると「小バカにされたように」仕上がっていくように思えて、なんとも残念です。

もっとこういうのがあればいいのに。
ここに○○がついていれば、欲しいのだけど。
スマホでは○○が心配だけど、○○ならぜひやりたい。

などなど、私には言いたいことがいっぱいあります。
パッケージや広告、説明資料やWebサイトなどのコミュニケーションも、
そんな見せ方だと見る気がしない、読む気がしない、と思うことがいっぱい。

シニア向けの商品やサービスを開発する企業さんは、ぜひ想像の世界ではなく、
リアルな対象者の本音をもとに開発してもらいたいものです。

人生100年時代。
60代、70代、80代とコラボしたい企業さんや
60代、70代、80代の本音を語ってもらう人材活用を考える企業さんが増えていくことが、
これからの楽しい(便利な、嬉しい等々)超高齢化社会への道なのだと思います。

 

 

30代が考えるシニアは、想像の世界” に対して1件のコメントがあります。

  1. ざいつきげん より:

    シニア向けの商品やサービスを開発する企業さんは、ぜひ想像の世界ではなく、
    リアルな対象者の本音をもとに開発してもらいたいものです。

    人生100年時代。
    60代、70代、80代とコラボしたい企業さんや
    60代、70代、80代の本音を語ってもらう人材活用を考える企業さんが増えていくことが、
    これからの楽しい(便利な、嬉しい等々)超高齢化社会への道なのだと思います。
    ※同感です

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