今日は節分の日。
昔だったら鬼と豆まきですが、今は恵方巻なのかもしれません。
スーパーもコンビニも恵方巻の売り場が大きくなり、折込チラシもポスターも派手に恵方巻が宣伝されています。

今から30年以上前、私は広告会社で「恵方巻」の仕事をしていました。
それは海苔の生産者団体の仕事で、食事の洋風化とともに海苔の需要がどんどん落ちていく中で、どうやって海苔に親しんでもらうか、海苔をもっと消費してもらうかという活動で、そのひとつのきっかえに「恵方巻」という文化を知らしめようというものでした。

当時、「恵方巻」なんて誰も知りませんでした。
もちろん私も。
今年の縁起のいい方角=「恵方」に向いて、太巻きを切らずに1本丸ごと食べると、その年は幸せになる~
関西でそのような風習?言い伝え?があるので、それを消費者に伝え、海苔の需要拡大につなげよう、と。
バレンタインのチョコレートのように、節分の海苔になれれば…というものでした。

私は大学で栄養学を専攻していて、ほとんどの同級生が栄養士とした就職したのですが、
その中で私は食関係の情報提供側になりたいと考えて、広告会社に就職しました。
そこで与えられた仕事でした。
10年後には特に食関係にはこだわらなくなったのですが、当時は私自身も毎年、今年の恵方はどこ?と調べ、自ら太巻きを丸かじりで食べてみたり、
タレントさんにも太巻きを食べてもらったり、太巻きの作りかたを特集したり…。
海苔の優れた栄養価を伝えたり、手軽な料理方法などの普及啓蒙ももちろんやってはいたけれど、
毎年秋になると2月の節分に向けて、恵方巻を広めるキャンペーンの準備は恒例行事のように毎年続けていました。

テレビでも新聞でも雑誌でも、いろいろ手を変え品を変えやり続けましたが、当時はなかなか浸透している実感はありませんでした。
でもいつの頃でしょうか。
だんだん広まっていきました。
スーパーやコンビニがそれに目をつけて、利用し始めたことも大きかったです。

この時期になると、私は毎年そのときのことを思い出します。
就職してまだ数年の頃に一生懸命働いていたときのこと、そういう文化があるんだ!とおもしろがっていたこと、丸かじりなんて本当にする人いるのかなと半ば半信半疑に思っていたこと、などなど。

今では節分と言えば豆まきよりも有名になっちゃったなあと、ちょっとこそばゆい気持ちです。
まあ今となっては、ここまで恵方巻が文化よりも商売に使われてしまったり、コンビニのバイトちゃんたちに恵方巻の売上ノルマがあるらしいという噂を耳にしたりして、一方でネガティブな思いもないことはないですが。

そんななかで今、改めて思うのです。

世の中で定着するには、続けなくてはいけないこと。
続けることが大事、ということ。
「続ける」時間がかかること。
そして言い続けていれば、誰かがそれを聞いて言い広めてくれたり、利用したりして、わ~っと広がること。

海苔の恵方巻の仕事をしていたときは、いくらやってもあまり知られていく実感が感じられなかったし、こんなことをやって意味があるのかなあなどを思うことも多々あったけれど、今こうなってみて、当時からの積み重ねがきっとあったんだろうなあと思います。

個人に置き替えてみると、何かやってもそれをやり続けることは意外に大変。
なかなか効果が出なかったり、上手にならなかったりして辞めてしまったことはたくさんあるけれど、
実際に長くやり続けている人は、きちんとそれだけでの実績を出したり、上手になっていたりしているのを見る機会が多くなりました。

やっぱり、今さらながら継続は力。
そういうことを実感できるのも、今の年齢になったからこそかもしれません。

私自身も、今までや利続けてきたことを大事にしながら、今始めたこともコツコツやり続けたいものだなと思います。