長いこと外資系企業に勤めていた女性から聞いた話。

この人、一体どうやって食べてるんだろう。生きてるんだろう。と思う人によく会うけれど、
コミニュケーション能力さえあれば、お金なんかなくても、人は意外と生きていけるのよね。

彼女によれば、

転がり込むのが上手だったり、甘え上手だったり、
自分の生かせることをきちんと見せようとできれば、
お金のある人が、そういう人を支えていくもの。
それは役割分担みたいなもので、本来は男とか女とか言うのはあまり関係ない。
昔はたまたま、それを女が世話して男が稼ぐと言う役割分担だったに過ぎず、
今の時代は、そんなの関係ない。

というのです。

男と女の問題は確かにそうかもしれないけれど、
コミニケーション能力さえあればと言う話については、
そんなものかしらと、聞いた時はあまりピンと来ていませんでした。

けれども最近、80代半ばの母の行動を見ていて、確かにそうかもしれないと納得することがありました。

一昨年まで父の介護に追われていた母は、
父が施設に入って以来、生まれて初めての一人暮らしをしています。。
父の世話をしていた時に少し言動がおかしくなり、認知症外来で診てもらいましたが、当時は全く問題なしという診断でした
今、一人暮らしになった母は、ときどき所在なげ。
すぐに私たち娘に頼ることが多くなり、時々とんちんかんなことを言うこともあります。
初期の認知症のような気もしますが、家族と相談し、あえて病院に連れていくことはしていませんが、概ね元気にしています。
それでも高齢者を狙った詐欺事件や殺人事件が起きるたびに怖がり、異常なくらい用心をしている中で、今回のコロナウィルス騒ぎ。

母にとって、今大事なことは、1番はお医者さん、そしてファッションと美容が次に続くようです。
この一番のお医者さんは、私たち娘にとっては悩みの種でした。大混雑してたのでしている病院なので、
早朝から並ばなきゃいけないし、無意味と思われる薬を出されて副作用が出たり、
痛いといっても歳だからね~の一言でしっかり見てくれなかったり。
そういうことが多々あるにもかかわらず、母から見れば優しい先生。
頑張ってるね、すごいよ、いざと言う時は私がちゃんと見ますからね、
そんな優しい言葉に母はほだされて、1ヵ月後に行くべきところを、1週間もたたないうちにまた行くなど、お医者さんが大好きです。

ところがこのコロナウィルス騒ぎのせいで、マスクをしていない人は、病院の中に入れなくなりました。
母は普段からマスクが大嫌いで、家でもマスクは常備していませんでした。
大好きな病院に行けなくなり、多分相当悩んだのでしょう。

薬局に行ってもマスクはないし、
母の頭の中でひらめいたのは、美容院でした。
美容院に行くといつもなじみの美容師さんがマスクをしていたからです。
行きつけの美容院に飛び込み、病院に行きたいけれどもマスクが手に入らない、
業務用のマスクを1つ分けてくれないか?とお願いしたんだそうです。

美容院だっておそらくマスクが残り少なかったでしょうに、母の必死の形相のせいか、1枚分けてくれたのだか。
それを恩に感じた母は、それ以来どこに行ってもマスクを探すようになり、やっと手に入れた大きな1箱をその美容院に届けたのだそうです。
そうしたら、その美容院から、大変感謝され、困った時はどんなことでも言ってくださいね、力になりますよ、と言われたとたいそう喜んで、私に報告してきたのです。

いざと言う時に美容院に飛び込む、という行動にはびっくりしたけれど、
こういうのがコミニュケーション能力って言うのかもしれませんね
一人暮らしをしている母の家までは、私たち姉妹の家からはそれぞれ1時間かかります。
母からは、しばしば「周りの人たちはみんな子どもに助けてもらっているのよ」と文句を言われますが、
1人でがんばらなきゃいけない状況に追い込まれながら、母が成長している様子を見て、
私たち姉妹はいつも笑いつつ面白がっている毎日です。