病院に行きたがらない高齢者、病院に行きすぎる高齢者・・・
高齢の親を持つ子どもとしては、どちらも悩ましいものです。
理想とされるお医者さんとのおつきあい、病院の通い方はあるでしょうが、
現実はなかなかそうはいきません。

病院は高齢者だけのものじゃない、と言うけれど

病院は高齢者のたまり場だと言われるようになって、30年くらいになろうか。
元気な高齢者は、おしゃべりをしに病院に行き、
病気になった高齢者は体がつらくて病院に行けない。
・・・かつてはそんな笑い話もあった。

そのせいで重篤な病気の患者さんが見られなくなるといけないからと、
今はできるだけ大病院ではなく近所のかかりつけ医に行きましょう、と言うのが常識。
国の方針でもある。
でも現実としては、やっぱりそんなのは理想だと思う。

理屈はわかる。
そりゃあ、そうでしょう。そうしたいですよ。
だけど、そのつもりでいても、若い人なら比較的簡単にそうできるかもしれないが、
高齢者の場合は、結果的になかなかそうはならないのが現実。
 

かかりつけ医のお医者さんに行きましょう、と言うけれど

かかりつけのお医者さんと言えば、

風邪をひいたら行くような、気軽に診てもらえるような、そういうイメージだ。
私にも、家の近所にそういうお医者さんがいる。
 
高齢の父の場合も、
元気で滅多にお医者さんにかかることがなかったときにはそういうお医者さんがいた。
でも元気だからほとんどお世話にならなかった。
 
しかし加齢とともに次々具合が悪くなってきた。
あちこちが悪くなり、その度に大きな検査が必要になり、大病院に行く。
さらに精密検査が必要だったり、違う科に診てもらうことになったり、
なかには先生と相性のよくなくて二度と行きたくないと言いだして
全く別の大病院に行ってもう一度最初から検査したり・・・。

気づくと、複数の大病院の複数の診療科に通うようになっていた。
足腰が元気ならいいけれど、だんだん足元がおぼつかなくなり、
付き添いなしには病院までは行けない。
若かった頃だったら、いずれ治るし、治ればもう行かなくなる。
だけど年をとるとなかなかよくならない。
多少はよくなってもまたすぐ悪くなるし、
悪くなれば、記録が残っている大病院に行く方が無駄がない。


父の場合、
 前立腺肥大で泌尿器科、帯状疱疹で皮膚科、
腰が痛い脊柱管狭窄症で整形外科、
高齢者特有の極度の便秘で胃腸科、
どれも症状が強く出たり落ち着いたりの繰り返しなので専門医に
診てもらうことになり、大病院に行く。
これだけの種類の持病を抱えるのだから、毎週どこかの病院の予約が入る。
風邪を引いたりといった日常的な症状が、それに加わるのだ。


病気の種類は別にしても、高齢者というのは、概ねそんなものじゃないか。

かかりつけ医に行けなくなる

そうなると、地域のかかりつけ医に行く機会がなくなってしまう。
それではマズイかなと思って、無理やりかかりつけ医に行ってもみるのだが、
これだけの診療科で診療を受け、その経緯を説明するだけでも大変なことだ。
ましてや高齢者の説明はゆっくりなのに話があちこち飛ぶ。
ちっとも来なかった患者が、来なかった間の要領を得ない話を延々と繰り返し、
どこがどのように悪いのか不明のまま薬の処方を書いてほしい、
と言い出すわけで、お医者さんから見れば、さぞかしイライラすることだろう。

こちらの言い方にも問題があるのかもしれない。
なんとなく関係性が悪くなり、いつの間にかかかりつけ医との関係は疎遠になってしまった。
もう今や、かかりつけ医に行ける雰囲気はない。

困るのは家族である。
なんせ、本人は一人で病院には行けないのだから。
しかもその病院は、かかりつけ医に比べて遠いのである。

病院に行くために

今のところ、家族が付き添って病院に行っている。
家族と言っても、我が家の場合は子どもたちはみな離れて暮らしているので、
老いた母が中心になって付き添うのだ。
そのため、母のプライベートな時間はほとんどなくなってしまう。

母の精神的負担を軽くするために、子どもである私たちも同行したり、
交代することもあるが、頻繁になるとなかなか難しい。
介護保険では病院付き添い(~院内介助)は適用されないので、
介護サービスプランに組み込んでもらうこともできない。

国の方針通り、かかりつけ医との関係を大事にして、
すべてをかかりつけ医に診てもらえていれば、
家族の負担はきっともう少し軽かったのだろう。
しかし、もはや戻ることはできない。

それに、そもそもそんなことは現実的にありえなかった。

今、老親だけの二人暮らしは心配も多いけれど、
本人たちが自分らしく暮らすためには第1優先なことだった。
たとえ負担が大きくても、両親のその気持ちは今もこれからも変わらなそうだ。
これも現実。

状況を見ながら、今後は
介護タクシー等、介護保険外のサービスの利用や、
訪問医療の活用等々、次の対策を少しづつ検討することになるのだろう。
子どもとして何ができるのか、それもお互いにできるだけ無理の少ない形で。

私たち世代にとって、老親の問題は大問題だ。
だけど、犠牲を払う気持ちが強くなると、どこかで歪みが生じてしまう。
その対策・解決方法は、
親によって、子どもによって、
家庭によって、人によって、たぶんみんな違う。

世間の理想通りにはいかなくても、
自分たちにとっての理想にどうやって近づけるのか、
・・・それを今、私たち家族も問われている。

2015年8月15日記事から

 

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